効率良く、気軽に使えるものもあります。
どんなふりかえりシートがあるのか、見てみましょう。
ふりかえり(内省)のときに使用するシートのことです。
シートには「問い」があり、何をふりかえれば良いのか、分かるようになっています。
「設問シート」、「KPT シート」、「YWT シート」を紹介します。
何を問いにするかが大事です。(講師の腕の見せ所です。)
予め問いを用意する場合と、その場を見て(参加者の表情などを見て)問いを決める場合があります。
以下、設問の例です。
例、どんな気付き、学びがありましたか。
例、どんな変化がありましたか。
例、今回の内容を踏まえて、明日から何を始めますか。(やめますか。)
KPTは「けぷと」、または、「けーぴーてぃー」と読み、Keep,Problem,Tryの頭文字をとった言葉です。
KPTシートとは、定型化したふりかえりシートです。設問は、K(続けたいこと)、P(問題点)、T(次に挑戦すること)の3つです。 「KPTをやる」とは、このシートを使用してふりかえりをすることを指します。
K(続けたいこと) | T(次に挑戦すること) |
P(問題点) |
図. KPT シート
KPTをやるときのコツは、「KPT」の順番でやることです。 最初に「K(続けたいこと)」を出します。次に「P(問題点)」を出し、最後に「T(次に挑戦すること)」を出します。
Tを出すとき、ついついPばかりに目を向けがちですが、Kからも出すようにしてください。 KからTを出すことが難しいようであれば、「これをやって良かったから続けたいけど、もっと良くしたい!」という感じに考えてみてはいかがでしょうか。
KとPが、合わせて20個も30個もある場合は、その全てに対してTを出す必要はありません。 「パレートの法則」に従い、重要度を考えて、重要なものベスト5についてTを出す、というやり方もあります。
コラム 「パレートの法則」
「パレートの法則」は、別名「20:80の法則」とか、「2:8の法則」とも呼ばれています。
こんな話を聞いたことがありませんか。働きアリの中で本当に働いているのは、働きアリ全体の2割だけで、他の8割は働いていない、 という話を。そして、働いている2割のアリによって、全体の8割のエサが集められている、という話を。 アリだけでなく、ミツバチにも同じことが言えるのだそうです。
他にも、お金持ち上位2割がその国全体の資産の8割を有しているとか、ある会社は成績上位2割の営業マンが会社全体の8割の売り上げを占めているとか。
この「パレートの法則」という名の経験則により、KPTで出た意見のうち上位2割を押さえれば、全体の8割が改善することになる、と言えそうです。
KPTのKとPがたくさん出た場合は、より重要そうな上位2割について、Tを考えてみてください。
YWTは、「わいだぶるてぃー」と読みます。
YWTシートとは、定型化したふりかえりシートです。設問は、Y(やったこと)、W(分かったこと)、T(次にやること)の3つです。「YWTをやる」とは、このシートを使用してふりかえりをすることを指します。
Y(やったこと) | T(次にやること) |
W(分かったこと) |
図. YWTシート
YWTはKPTと大変似ています。YWTとKPTの共通点と違いを押さえながら、YWTとはどのようなものなのか、見てみましょう。
KPTとの共通点
定型化したふりかえりシートです。シートのフォーマットも同じです。
KPTとの違い
KPT
設問は、K(続けたいこと)、P(問題点)、T(次に挑戦すること)。
チーム全体のことは出しやすい。
ネガティブな意見も出しやすい。
後ろ向きになることがある。
YWT
設問は、Y(やったこと)、W(分かったこと)、T(次にやること)。
チーム全体のことは出しにくい。
ネガティブな意見は出しにくい。
後ろ向きになりにくい。
個人的な意見や感想、ポジティブな意見や感想をより求めたい場合は、YWTがより良いと思います。
チームとして、次は何に挑戦したいか、どっちへ進むのか、という意見をより求めたい場合は、KPTがより良いと思います。
次は、理解度チェックです。
このページでの理解度を確認しましょう。
項目1:「KPT」、「YWT」とは、何の略が説明できるか?
項目2:「KPT」、「YWT」はそれぞれどのようは場合に使用すると効果的か説明できるか?
「自己紹介」で自分のことと相手のことが分かりました。
「ふりかえり」と「分かち合い」で、より良い自己紹介ができるようになりました。
次は「チーム」について考えてみましょう。